あちら側 こちら側

 梅田望夫の「ウェブ進化論」、知的刺激に満ちた一冊でした。ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
 「インターネットが世界を変える」という論議はかれこれもう数年に亘って各所で展開されているところです。ビジネスの世界でも、ネットを如何に既存のビジネススキームの中に取り込むか、あるいはネットを活用した新規事業を如何に立ち上げるか、といった話題は枚挙に暇がありません。
 本書は、そうした「こちら側」でのネット活用を遥かに超えた、「ネットのもたらす本当の大変化」について言及します。Googleが創業7年で時価総額3兆円を越えるネット時代の寵児となった本当の理由、ご存知でしたか?正直なところ僕は知りませんでした(ただの検索エンジンの会社だと思っていました・・・)。
 多くの事例を用いながら語られる「インターネット革命の真の姿」。これまで深く考えることもなく「変化の時代」を漫然と過ごしていた自分を恥じるとともに、筆者の鋭い洞察に震えます。
 今年(まだ始まったばかりですが・・・)、最も強い影響を自分に与えた一冊を選べ、と言われれば、この本を挙げることになるでしょう。そのくらい、強烈な印象を残した本でした。