長期戦に備えよ

梅田望夫さんが新潮社の雑誌「フォーサイト」誌上に連載するコラム「シリコンバレーからの手紙」に、こんな文章がありました。メジャーリーガーのイチローが対談の中で50歳現役を真剣に目指しており、トレーニング設備・環境の進化を考えれば十分可能ということを話していた点に触れて、

イチローがスポーツの世界について指摘する「環境面や設備面」での進化ゆえの「選手寿命の延び」は、全く同じことが知的生産の分野でも言える。ウェブ進化によって、自宅にいながらにして得られる情報は爆発的に拡大し、これからもその進化は続く。若いときに比べて体力が少し衰えても、頭脳さえしっかりしていれば、現役でモノを考え続けることができる。ネット上の情報が全体として玉石混交だとはいえ、自らの知性によって情報の取捨選択ができる「知的生産のプロ」にとっては、おそろしく有益な道具が用意されたと言えるのだ。しかもブログ等の進化によって、ほぼゼロコストで、自分の考えを発信する道具も揃ってきた。(中略)
特に根拠はないのだが、イチローにおける「五〇歳」を、私たち「知的生産のプロ」にあてはめるとすれば「九〇歳」と目標設定すべきではないかとあるとき考えた。ならば、その長期戦を乗り切る工夫をしなければならない。プロスポーツ選手における「シーズンオフ」を、私たちも意識して作らなくてはいけないのではないだろうか。

(全文はこちら http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u124.html

確かに、スポーツの世界だけでなく人間の思考にとっても、それを鍛え上げ発信する環境はネットその他によって飛躍的に進歩しています。人間の脳は引退などすることなく、生涯現役でトレーニングを続けパフォーマンスを伸ばし続ける可能性を秘めている。「老兵は去るのみ」というのは、もはや人間の知的営みにおいては死語なのかもしれません。
あとは、それを精神面・肉体面でいかに継続させるか。すなわち、どのように「長期戦を乗り切って」いくか。
先日の日曜、突然発熱して倒れました。インフルエンザではなかったようでホッとしてはいますが、恐らくは睡眠不足と疲労蓄積によるもの。もう少し体への負荷をコントロールできるようにならなくては、と「長期戦」を見据えて考えました。