セ界制覇、そして日本一へ


遂にこの日がやって来ました。中日ドラゴンズが球団創立70周年を飾るに相応しい劇的な勝利でセ・リーグ制覇!東京ドームはかつて体験したことのない熱気と大歓声に包まれて、その白い屋根も少し膨らんだんじゃないかと思うくらい。3塁側スタンド・レフトスタンドは、もう例えるもののないくらいの興奮の嵐が吹き荒れ、涙する者、大声で叫びながら周囲の見ず知らずの人々と抱き合う者。笑顔・笑顔・笑顔の瞬間でした。

ジャイアンツのドーム最終戦を見たいという後輩からの頼みに応える形で「消化試合だろうけどね〜」と9月初旬に予約したチケット。まさかそれが優勝決定戦への貴重な切符になるとは夢にも思っていませんでした。
仕事をさっさと切り上げて後楽園へ。マジック1の重荷を背負ってマウンドに立つのは、その闘志溢れるピッチングを心から敬愛しているエース 川上憲伸

力に満ちたストレートを中心に、ジャイアンツの打者陣を打ち取っていきます。
タイロン・ウッズの一発で3点を先取して波に乗るドラゴンズに立ちはだかるのは、この二人。ジャイアンツの誇るクリーンアップ、高橋由・小久保。
 
なんと2者連続のホームラン。打たれた瞬間にため息とうなだれるファンの姿がドームのそこらじゅうに。まさか追いつかれるとは・・・。試合はそのまま延長へ。
12回表。この攻撃が終われば、もう今日の「勝利」はなくなる。それは即ち、目の前で優勝の瞬間に立ち会う機会を失うことでした。何とかして欲しい。1点でいい。そんな気持ちをドラゴンズファンの誰もが祈るような気持ちで抱いていた時。この男がやってくれました。

ドラゴンズの背番号1、リーグ首位打者への道をダントツでひた走る打の英雄 福留孝介!1アウト満塁からのタイムリーヒットで、遂に待望の1点がスコアボードに刻まれます。さらにタイロン・ウッズ。この試合2本目、2試合連続、球団記録更新となる47号満塁ホームランを左中間スタンドに叩き込み、試合を決めました。

最後は、満身創痍ながら守護神としてマウンドを守り続けた40セーブ男 岩瀬がきっちりと締めくくり、見事胴上げ投手に。ラストバッターの木村拓の放った打球がミットに収まり「アウト!」のコールがされた瞬間、全てが絶叫にも似た歓声に飲み込まれました。

間違いなく、これまでの野球ファン人生最良・最高のゲーム。本当に本当に、感動をありがとう!!
photo : Nikon D200 with TAMRON AF 70-300mm F/4-5.6Di