風の谷のあの人と結婚する方法

後楽園で立ち寄った本屋。写真の雑誌を買いにいったのですが、残念ながら見つからず。ぼんやりと店内を物色しているときに見つけ、思わず買ってしまいました。すごく素敵なタイトルだな〜、と思ったのがキッカケ。

風の谷のあの人と結婚する方法

風の谷のあの人と結婚する方法

独特だけれども分かりやすく、そして透明感のある考え・生き方をしている、そんな著者の人となりがしっかりと伝わってくるエッセイでした。1978年生まれと、僕と同世代を生きる人物ということもあり、思考のベースとなっているであろう彼の育ってきた環境・社会といったものを、すごく身近に感じることができたのも、共感の源かもしれません。

彼の「時間」についての考え方を書いた章に、こんな一節がありました。
「例えば、好きなことを仕事にして生きている人は、歳をとっても若々しいはずです。気持ちも若いし、肉体的にも若い。ドモホルンリンクルを使っていなくても、肌につやがあります。
人は好きなことをしていると、あっという間に一日が過ぎてしまいます。一日があっという間にしか感じられないということは、その人は本当に『あっという間しか生きていない』のです。つまり、あっという間の分しか歳をとっていませんから、いつまで経っても若々しいし元気なのです。」
「本来、人はどのようにでも『この一瞬』を使えます。使い方は無限にあり、今この瞬間というリアリティは、いかようにでも広げられます。<朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり>これは論語の一節ですが、朝、人生を悟ったなら、もうその夜には死んでもいいという意味です。一瞬の中に『すべて』があったならば、その人の人生における時間はもう十分に足りているのです。逆もしかりで、悟れない人にとっては人生が150年あっても足りません。人によって人生に必要な時間が違ってくるということですから「忙しい」を口癖にしている人は自分のサイクルを見つめ直してみるといいかもしれません。」


帯に「生きていることがうれしくなる本」(宮本亜門)との一文が添えられています。同感ですね。清々しい気持ちにさせてくれる、そして同時に、自分の過ごしている日々を瑞々しい感覚で捉えなおすことを可能にしてくれる、素敵な本でした。もちろん、「見つめ直す」作業についても考えさせられるわけですが・・・。