心で撮れ

中部出張から戻ってきました。三泊四日の日程、実家に泊まったにも関わらず、どんよりとした疲労が残っています。何よりも車・新幹線での移動がエナジーを奪っていく気がするのは僕だけではないはず。人間に与えられた能力を大きく超えたスピードで移動するというのは、やはりどこかおかしな影響を体に与えているんじゃないか。そんな風に疑っている今日この頃です。

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 旅行写真
こんな本を先日見つけて、思わず買ってしまいました。写真のクオリティの高さに定評のある「ナショナルジオグラフィック」誌に所属するプロのカメラマンが、写真の撮り方について実例を交えながら説明してくれる本。今回購入したのは、「旅行写真」をテーマにした一冊。
そこに収められている写真の一枚一枚が誇るクオリティに驚かされ、感動させられるのはもちろんですが、何より印象的なのがその「撮り方」の説明。技術・テクニックの解説に終始するハウトゥー本が多い中、「心」「感性」を研ぎ澄ますこと、そして「熱心」になることの重要性を説いています。
まずは旅行に行く前の準備。一体どこで、どんな写真を撮りたいのか、今までにそこではどんな写真が撮られていたのか。写真に写し取りたい人々の生活があるのなら、その人々の心に根付く価値観とはどんなものなのか。その国の風景・建造物・街について学ぶことはもとより、文化・歴史・伝統・宗教に至るまで、可能な限りの背景知識を備えておくべし、と熱く語られてしまうのです。これが熱心さ。
そして、いざ現地に赴いたのなら、あとはカメラを常に準備して心と感性を研ぎ澄ます。どんな写真が撮りたいのか、というビジョンをしっかりと持っていれば、シャッターチャンスを逃すなんてバカな真似はしないだろう?そう語られてしまう。これが心と感性。
そして、そんな準備と心構えで臨む者にこそ、偶然がもたらす一瞬に出会う許しが与えられる。つまり、計画外・予想外のシャッターチャンスにめぐり合うことが出来る、と。
自分がここまで出来るようになるとは思えないけれど、少なくともそういう「真摯さ」をもって取り組んでいきたい、とは思う。例え趣味であっても、真っ向からハイレベルなものを目指していく。そんな熱さも悪くはないですよね。