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 野村監督の55年

楽天イーグルスの監督を辞し、55年に及ぶユニフォーム生活を終えた(とご本人は書いています)野村克也氏の著作を久しぶりに読みました。彼が55年のユニフォーム生活の最後に記した一冊。

タイトルから楽天球団批判のための本かと思われる向きもあるかと思いますが、そうした記述はほんの一部。大半は彼の人材育成論・組織強化論にあてられています。また、楽天イーグルスが2009年にレギュラーシーズン2位という快挙を成し遂げた背景にある事実と、そして日本シリーズ進出を果たせなかったことに対する真摯な反省も綴られています。
彼の人材育成に対する「思い」はとても温かく、そして深い。単に優秀なプロ野球選手を育てるのではなく、その選手が選手生活を全うした後の長い人生をいかに豊かに充実させていくかということに焦点を当て、一個の人間として確立するためには何が必要なのかを軸に人を育てていく。
そんな野村監督が最も重視するのは、「人生について考えなさい、ということ。野球人である前に一人の人間だよ、と。

自分がどのようい生きていくのか考えれば、心が変わる。心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わるのである。
したがって、人間として成長しなければ、技術的成長はない。

また、選手の妥協についても厳しく戒めています。プロ野球選手の中には、プロになることを夢として頑張ってきた人が多いだけに、プロに入ったことである種の満足をしてしまい、壁に当たると「もういいか」と自分に妥協してしまうことがあるのだ、と。

選手たちには、「軽々しく限界という言葉を口にするな」とも言い続けた。伸び悩んでいる選手には、共通点がある。自己限定をしているのである。
「これで精一杯です。」「もう限界です。」「これ位やればいいか。」口にしなくても、そう考えている選手はじつに多いのだ。その選手にはまだ眠っている才能があるのかもしれないのに、「限界だ」と感じているらしいのである。
それでは伸びるものも伸びなくなってしまう。

このブログでも前に書きましたが、自分の可能性は無限大であるとまず決める、という態度。僕自身も大いに共感するものがありました。
Kazuteru Kodera