20th century boys

先日見たNHKの番組「プロフェッショナル」に、漫画家の浦沢直樹氏が登場しました。通算1億部以上の漫画を世に送り出した、日本漫画界のスター。そこで紹介されていた彼の作品「20世紀少年」。
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (22) (ビッグコミックス)
世界征服を目論む謎の組織のリーダー「ともだち」、そして彼の野望から世界を救おうと立ち上がる元ロックミュージシャン&元コンビニ店長「ケンヂ」。と、一行で書いてしまうと全く荒唐無稽な話に見えます。完全な子供向け漫画?と。ところが、実際はまったくそうではない。番組の中で垣間見たその独特な世界観に惹かれ、翌日には書店で購入してしまったのですが・・・
これが面白い!「圧倒的」という表現がぴったりくるほどのその迫力、ストーリー展開の力強さ、迫真の描写力。引っ張り込まれる力に耐えかねて、一週間で既に9巻を読み終えてしまいました。連日のタクシー帰宅だったというのに。。。
「人間は単純じゃないから・・・」 インタビューで浦沢氏はこう言っています。単純じゃないから、人間は複雑だから、その表情を描くのは難しい。「喜怒哀楽」とは言うけれど、それぞれが独立して存在する感情ではなく、それらが心という器の中で渾然一体となって成り立っている、それが人間。
漫画という空間の中で、そうした人間の複雑さをそこここに浸み込ませつつ、「20世紀少年」のストーリーは展開していきます。
漫画を「大人買い」する日が来るなんて、思ってもいなかったよ、まったく♪