質問力

先日に引き続いて大前研一氏の著作を読みました。以前に一度、通読したことのある1冊ですが、最近とみに「質問する力」の大切さを痛感することが多く、論理的思考能力とあいまって一層のトレーニングの必要性を感じていたので再読。

質問する力 (文春文庫)

質問する力 (文春文庫)

適切な質問をすることで真実に近づくことができる、という発想から、「質問力を身に付けるために必要なこと」は何かという視点で読み進めました。
日本人の質問力が低下したのは必然であったと著者は言います。しかし、現代はそれではいけなくなったのだ、と。

85年以前の日本は明治時代から欧米という目標があって、政府にしても企業にしても、自分の頭で考えなくとも、その真似をしていかに近づくかという努力をすればよかった(中略)
政府が国の目標を決め、国民はそれに向かって邁進する。国と国民の関係は、ちょうど教師と生徒のような関係で、政府は常に正しく、その言うとおりに努力するのが良い国民ということになっていたのです。
しかし、85年を境にそうはいかなくなったのです。つまり、他人の模倣ではなく、道なき道を見つける(パス・ファインディング)ことが必要な時代になったのです。

パス・ファインディングのために必要なのが「質問する力」なわけですが、それを養うにはどうやらたゆまぬ訓練しかなさそうである、というのが読後の感想。本書の中でイヤというほど登場する事例・例題はそれを如実に物語ります。
要は、日ごろ接する事象やニュース等に対して、「自分が本当に理解しているのか」を常に問いかけ、あいまいな点や疑問があるならトコトン突き詰めて調べて考える姿勢。これが大事ということです。
情報であふれる昨今、「本当なの?どういうことなの?」と考える題材はいくらでもあります。いかにアンテナを高く、意識を高くしてそれらの疑問にトライしていくか、ということなのでしょうね。