子供にテレビを見せてはいけない理由

今日はヨメと娘(4ヶ月)が近所の医師会の子育てセミナーに出かけたときに聞いたという話を書こうと思います。とても興味深い内容だったし、納得してしまったので。
テーマは「子供にテレビを見せてはいけない理由」。実際、我が家では娘が生まれてからおそらく合計1時間程度しかテレビをつけていません。つまり、ほとんど見ていないということです。これには別に深い理由があったわけではなく、よく「子供(特に赤ちゃん)にはテレビを見せないほうがいい」という話を聞いていたし、私自身がテレビをだらだら見るのが嫌いだからです。それが、医師会のセミナーでの小児科医(近所では人気の女医さんです)の話を聞いてストンの腹に落ちた気がしたのです。
子供にテレビを見せてはいけない理由、それは、「子供の想像力の育成を阻害するから」。
引き合いに出されたのは、絵本だったそうです。絵本を子供に読んで聞かせるとき、子供はお母さん・お父さんの声に合わせていろいろなことを想像しています。「ライオン ガオー」「象さん パオーン」なんていうだけのフレーズでも、子供の脳の中ではライオンや象の大きな体、鳴き声、ひょっとしたら匂いまでも、五感をフルに使った体験として想像されているはずです。もしかしたら、ライオンなんていう動物を見たことがないかもしれません。匂いだって、かいだことなんてないのかも。それでも、絵本に描かれた限られた情報をもとに、子供は想像力の翼を大きく広げていろいろな姿形を頭の中で作り出してしまいます。想像の世界では、子供たちは何だってできてしまいます。日本では目にすることのできない動物と一緒に遊んだり、空を飛んだり。
一方、テレビはどこまでいっても「リアル」です。そこには本物のライオンがいて象がいて、本物の鳴き声があります。想像力の入り込む余地あそんなに多くありません。リアルであるからこそ、そこには限界があるのです。想像力の飛翔する空間を限りなくゼロにしてしまう、限界。
テレビそのものを悪い存在と決め付けることはできません。提供する情報量・映像の力というのはここ数十年の人間の生活と歴史を大きく塗り替えてきたし、これからもネットなどへのシフトこそすれどもその影響力がなくなることはないでしょう。
それでも、私は子供の想像力に「限界」を設けるようなことはできるだけしたくないと思っています。子供が自由に想像したことに対して「そんなことは現実では起こらないよ」と否定するようなことはしたくないと思っています。というわけで、我が家では当面テレビがその存在を主張するようなことはないでしょう。