冬・鎌倉・静寂

カメラを携えて鎌倉に出かけてきました。新幹線のストップで大混乱する東京駅を抜けて横須賀線で北鎌倉へ。まず最初に訪れたのは、北条時宗墓所もある巨刹・円覚寺。石段の上にそびえる山門が迎えてくれました。

桜・アジサイ・紅葉という3大シーズンからは縁遠い12月の寒空の下。真っ青な晴天に恵まれたとはいえシーズンオフ。さすがの名刹も人影はまばらでした。静寂の中にたたずむ寺の姿を写真におさめようと出かけた僕にとっては、これ以上ない環境です。(もちろん、花があった方が素晴らしいことは間違いないのだけれど。)

青い空とはいっても、夏空と冬のそれとでは色彩に違いがあります。ぐっと青色が濃くなる夏に対して、冬は少し水色が強め、かつ透明感を感じることが多い。木の感触をはっきりと残した山門と青空のコントラストが眩しく映りました。

円覚寺が残しておいてくれたとっておきの紅葉。スポットライトのように差し込む光がかえでの赤をぐっと輝かせていました。
境内の各所を30分くらい散歩して円覚寺を後に。次に目指すは浄智寺。今日のメインはこちら、というのが事前の計画なのでした。

長い歳月を経てすっかり丸みを帯びた石段が、鎌倉という町・浄智寺という寺の歩んできた悠久ともいえる月日を感じさせる光景。幸いなことにここにも人影はほとんどなく、ゆっくりと苔むした石段や光の差し込む参道を眺め、写真を撮ることができました。
photo : Nikon D200 with Nikon AF80mm F/1.8, SIGMA AF18-50 F/2.8