炎に抱かれた場所 〜鹿児島の風景〜

鹿児島を旅してきました。二泊三日、県内くまなくとはいかなかったけれど、鹿児島の、薩摩の歴史の一端に触れ、自然の息吹を感じることができた素晴らしい時間でした。

ふと海を見ると、そこには必ず煙を吐き出しながら悠然と見下ろす桜島の姿がありました。鹿児島市を一望にできる展望台からの眺め。でも、街の眺望など目には入りません。そこにあるのは、ただただ、桜島。
鹿児島という土地について、何よりも強く印象に残ること。それはこの土地が、桜島を始めとする火山群に抱かれた場所であるといこと。桜島・開聞岳に代表される火山と、そこから湧き出す温泉。ふと道を走っていて眼前に現れる奇岩・奇山の姿は、ここが「火の国」であることを強く僕の脳裏に印象付けました。
そんな熱き土地が、熱く温かい人々を育み、訪れる人の気持ちをすっとほぐしてくれる。そんな土地でした。

薩摩半島の南に位置する開聞岳は、別名「薩摩富士」。海に突き出して隆起したこの山の姿は、富士山よりも鋭く天に向かって立ち上がり、それでいてどこか優美な雰囲気をまとっていました。

奇岩に特徴づけられた独特の風景。大地から厳然と立ち上がる岩山の姿が、太陽に照らし出されていました。火山国でしか見ることのできないこんな光景が、ふとした場所で目にすることができる。そして、その周囲には、目を見張るばかりに鮮やかな緑と、どこまでも昇っていけそうな青空が添えられています。

photo ; Nikon D200 with AF-S VR Zoom Nikkor 24-120 F/3.5-5.6