師走に手帳

月曜夜の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)、テーマは『手帳』でした。新しい年を間近に控えて、気持ちも新たに、手帳も新たに、と考える人が多いということなのでしょう。番組の中では、「今は空前の手帳ブーム」といった言葉も飛び出します。確かに、書店には”一冊の手帳で人生が変わる”といった内容の本がズラリ。ネット上で100万人/日のページビューを誇る「ほぼ日刊イトイ新聞」から始まった「ほぼ日手帳」が20万部を越える売上だとか。手帳にまつわる話題には事欠きません。
手帳を新しく買った瞬間、それは自分だけのとても親密な、かつやる気に満ち溢れた前向きな気持ちが凝縮されたもの。手帳だけが持つ魅力といってもいいかもしれません。そして同時に、うまく手帳を使わないままに日々を過ごし、真っ白なままのページを見るたびに感じるあの敗北感、挫折感もまた、手帳だけが持つ独特の感覚です。
僕自身もまたそうした栄光と挫折を味わいつつ(2回くらいかな)、今使っている手帳に落ち着いてかれこれ3年を過ごした人間。正直言って、手帳なしでの生活は考えられません。「今失くして困るものは?」という質問の回答上位トップ5には間違いなく手帳が入ります。(残りのトップ4つは何?という質問はタブーです。いろいろと嫉妬されたり怒られたり蔑まれたりと大変なので 笑)

仕事中は必ず机の横に開いて置いてあるし、家でも使う。日記的な散文を書き込むこともあれば、読んだ本の感想はまとめて後ろのページに書いたり・・・と使い道に限りはありません。もちろん、手帳バインダーは大のお気に入りのものだし、リフィルのデザインもずっと変えていません。こうした「大人の嗜好品」的要素も持っているという点も、手帳が人々を惹きつけてやまない要素なのでしょうね。(ちなみに僕が使っているのは、上の写真の真ん中、茶色いやつです)
手帳ブームという言葉はよくわからないけれど、より多くの人が手帳(あるいは他のツール)で人生を少しでも豊かにできるのなら、それは素晴らしいことだと思います。僕自身の経験として、確かに手帳は人生を変える、かもしれません。とはいえ、手帳はあくまでもツール。それを活用するか否かの鍵は、僕たち自身が持っているわけです。事実、手帳が空白のまま数ヶ月を過ごしていた時期が僕にもありました。
熱い心を以って人生を御していく気持ちを持っている人ならば、手帳なんてなくたっていいのでしょう。でも、僕を含めて弱い子羊たる人間は、自分を制御し、内省し、あるいは自分自身の鉱脈から何かを発掘し、という営みを助けてくれるツールを必要とします。それが手帳である可能性は、意外と高いのかもしれません。

新宿御苑で紅葉の撮影を一段落させ、ふっと空を見上げました。雲からあふれ出る光芒に思わずうっとり。地球って不思議だな〜、と思います。
そうそう、今月号の雑誌「Newton」特集は「気象の決定版」。買っちゃいました。読まなくては。少しでも地球の神秘を語れる人間になるために。
Photo : Nikon D200 with TAMRON AF 70-300mm F4-5.6Di