「健康」の定義を見直そう

「健康が何よりも大切」とよく言われます。「健康はお金では買えない(だからお金のために体を壊してまで働く必要はない)」といった言われ方もします。人生において健康の優先順位はとても高いし、健康であるという状態は健康ではないという状態より良い、というのは誰も反論しないでしょう。

では、ここでいう「健康」とはどういう状態を指すのでしょうか。私はほんの1年くらい前まで、「身体・精神に不調がない=健康」だと考えていました。病気がなく、これといって問題のない状態であれば、「自分は健康だ」と思っていたです。

どうやらこの定義は間違っているぞ、と気づいたのは1年くらい前。食事を見直し、継続的に運動をするようになって半年くらい経った頃でしょうか。体力がついて疲れにくくなり、体の中からエネルギーが湧き上がってくるような感覚を持つようになったことがきっかけでした。「うん、こういう状態のことを健康というんじゃないか」と。

健全な精神は健全な肉体に宿る、とはよく言ったもので、体が健康な状態になると精神もまた強くなっているのを感じることができました。ストレスに対する抵抗力がつき、仕事やプライベートで起こるネガティブな出来事に対しても、落ち着いて理性的に反応できる(あくまでも自分の感覚として)。身体的に疲れが少なく余裕がある状態というのは、精神にも余裕をもたらすのです。当たり前ですが。

この記事を書くにあたって、Wikipediaで健康について調べてみました。

健康の概念は、1948年の設立における世界保健機関憲章の前文にある、以下の定義が有名である。

「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない。原文はHealth is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmit

こうして辞書にも書いてあったのですね。

興味深いのは、「社会的に」という言葉が加わっている点。家族との関係や、職場を含む社会との関係が良好であることもまた、「健康」の要素。そう考えると、「健康第一」はまさにその通りでありながら、いかに健康を保つことが難しいか、に思い至ります。健康であればすなわち幸福でもある、と言えそうです。