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 読書メモについて 3.活用のしかた

前回までに書いたような形でEvernoteに保存した読書メモ(Evernote上で言えば「ノート」)ですが、そのまま保存しているだけでは何の役にも立ちません。もちろん「こんなに本を読んだんだなー」という自己満足のネタにはなりますが、それでは本来の意味は全くない。
スクラップブック(新聞や雑誌の切り抜きを貼る冊子)にしても、この読書メモにしても、後から見返して何らかのアウトプット・知的生産に活用してこそ、蓄積する意味があるわけですよね。
以前から紹介している梅棹忠雄氏の「知的生産の技術」の中には、この読書メモと同じ機能を果たすものとして「カード」が出てきます。同氏は、フィールドワークに出たときや、あるいは日常生活、そして読書の中で「面白い」と思った事柄について、何でも規格化された同一のカードに書き記しています。そして同氏曰く、そのカードを「くる」ことにこそ意味があるのだと言います。つまり、蓄積したカードをパラパラとめくりながら、新しい着想を得たり、構想を膨らませたりするわけです。
ここで紹介してきた読書メモについても、梅棹氏がカードを「くる」ように、パラパラと見返してアウトプットにつなげていくことでその存在意義が最大化されると思います。では具体的にどうやるか。
前回までのプロセスで、読書から得られた果実は当初「メモカード」として蓄えられ、その後に自分の考えたことやアイデアを書き加えて「思考カード」へと進化していくことをお話しました。ここでは、その「思考カード」を2つのアプローチでくっていきます。
一つは、何らかのアウトプットのテーマを決めて、それに関連するカードを見返して行くこと。例えば仕事上で何かのレポートを作成するとか、資料を作るといった場面を想定してみてください。仮にマーケティング関連のアウトプットをするのであれば、「マーケティング」タグや「戦略」タグ、はたまた「ソーシャルメディア」タグといった関連しそうなタグでノートを抽出し、それらを一つずつ見返して行きます。これまでに自分のアンテナに引っかかって来た事柄を再確認し、付加価値の高いアウトプットにつなげていく。
二つめは、テーマは決めず、ただ一定の時間を定めて、まさしくパラパラ見るというやり方。この時は「思考カード」タグだけで抽出します。当然かなりの数のノートが引っかかってきますが、これをざーっと見て行く。すでに中身を忘れていて、タイトルを見てもこれなんだっけ?と思うようなものは、中身を再読して確認する。すると、異なるテーマだと思っていたノート同士に面白いつながりが見えて来たり、それらを組み合わせるkとで新しいアイデアが生成できたりする。それを、さらに新しいノートにまとめていく訳です。
これら二つのアプローチを適宜組み合わせて活用すると、これまでの自分の知的蓄積をレビューしながら新しい価値あるアウトプットをしていくことができるのではないか、と思っています。