日本語という特殊言語空間がいつまで僕たちを守ってくれるんだろう?

クラウド・ソーシング」という言葉があります。wikipediaによると、

「不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。ウェブサービスのトレンドの一つでもある。群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語」

とあります。
そんなクラウド・ソーシング、言葉としては知っていたし、「インドのプログラマに発注すると日本人よりはるかに安いコストで」といった話は「まあそうだよね」という受け止め方をしていました。プログラミング言語世界共通だから。
クラウド・ソーシングについてはそれ以上考えを進めることなく、自分の世界とは少し次元の違う分野での出来事といった風に捉えていました。
ところが、先ほどこんな記事を読んでようやく、僕の中での感度がぐっと高まりました。これはすごいな、トーマス・フリードマンが言った「フラットな世界」とは恐ろしいな、と。そして、活用するところは徹底活用していこう、と。
【驚異的に格安で、高品質。しかも凄く速くてカンタン】 freelancer.comで、新興国への外注サービスを、個人で使ってみた:永井孝尚のMM21:ITmedia オルタナティブ・ブログ
クラウド・ソーシングを個人で使ってみたという点も珍しいのですが、驚いたのはこのFreelancer.comというプラットフォームであり、またそこに集まっている世界中のFreelancerたちの数とスキルのレベル。
この記事ではPhotoshopという世界中で利用されている写真加工ソフトを使った仕事が取り上げられていますが、使用言語が英語である限り、調査分析レポートの作成といった非IT系の仕事もクラウド・ソースの対象になることは明白です。
ポイントは「使用言語が英語である限り」という但し書きの部分でしょう。日本においてはまだまだ英語でのアウトプット(資料など)がそのままビジネスで受け入れられる環境は少ない。日本のビジネスパーソンクラウド・ソーシングによる劇的な労働対価の減少を免れているのは、この日本語というバリアーが依然として強い効力を発揮しているからに他ならないわけです。
とはいえ、そんな環境は長くは続かないでしょう。製造業を始めとする各種産業が安い労働力を求めて海外シフトしたのと同じように、知識労働についても英語というプラットフォームの下で世界的に統合され、企業が「最適地調達」を始める期日は刻一刻と迫っていると考えた方がいい。
「こうした流れからどうやって身を守るか」ということが盛んに言われますが、むしろ「こうした流れを活用して自身のビジネスをさらにバリューアップしていくにはどうしたらいいか」という思考の方が健全である気がします。