第3の教育

今年の書籍5冊目は、炭谷俊樹さんの「第3の教育」。この本を読んだことはもとより、炭谷さんご本人と出会い、彼の運営する「ラーンネットグローバルスクール」について知ることができたのは、僕が父親として、また教育分野で事業を志す者として大きな出来事でした。

第3の教育-突き抜けた才能は、ここから生まれる (角川oneテーマ21 (C-4))

第3の教育-突き抜けた才能は、ここから生まれる (角川oneテーマ21 (C-4))

人間にはもともと無限の可能性が備わっている。それを伸ばすことのできる環境を作り、必要に応じて後押ししていくことが大人の仕事。本書の中で紹介され、そしてラーンネットグローバルスクールで実践されている教育の在り方は、現代の日本の教育、ひいては大人も含めた日本人の生き方そのものに対して、鋭い音で鳴り響く警鐘です。
なぜ大人の生き方?と思われる方も多いでしょうが、僕自身はこの1年のいろいろな経験を通じて、「自分自身が自分の可能性に制限を設けていた」ということに気づかされました。特に、子どもたちの持つ可能性について考えていく中で、その反映としての自分の姿に気づかされた面が大きかったように感じます。子どもたちの可能性を信じることが大切であるのと同じように、僕たち自身が自分たちの持つ可能性を信頼することが大切なのではないか、と。
子どもたちは大人の姿を見て育ちます。目の前にいる大人たちが、自分自身の可能性にフタをして生きていたとしたら、子どもたちは自分たちの可能性を無限だと信じることができるでしょうか?そう考えたとき、僕たち大人が持つべき心構えというのは、自ずから見えてくる気がするのです。
今年は僕自身、仕事のフィールドを教育分野へと大きく舵をきった年でした。いまだ着なれない服をムリして着ているような感触で仕事をしている状況ですが、上記のような心意気だけは忘れることなく進んでいきたいと思っています。それが何より自分の人生を大切にすることであり、また自分や周囲の子どもたちに人生の豊かさを伝える道につながるのだと思うのです。
Kazuteru Kodera