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にっぽんの食卓 きちんとしなくちゃの文化

日本の食卓においては、冷凍食品や出来合いの総菜といったものはどうも「手抜き」との誹りを免れない、ネガティブな存在のようです。どんなに忙しくても、自宅できちんと調理されたものでないといけないという「きちんとしなくちゃ文化」があるのです。冷凍食品や総菜は確かに簡単でラクだけれど、誰かに見られたり知られたりしたら何を言われるかわからない。挙句の果てには、子どもの非行までが食卓のせいになってしまう、ある意味で「手作り食卓至上主義」のような文化があるのですね。
外国はと言えば、それほどではないように思います。国によって違いはあると思いますが、例えば僕たち家族が今年の始めに3週間ほど滞在していたオーストラリア。スーパーには巨大な(スーパーそのものも巨大ですがその中でも特に巨大)冷凍食品のコーナー(というかエリア)があり、ありとあらゆる種類の冷凍食品が大量に販売されていました。日本では到底冷凍食品としては売られないようなものまで、です。家庭で冷凍食品を食卓に並べるということにあまり抵抗のない文化なのでしょうね。だからこそ、そうしたマーケットが発達して多彩な商品が棚に並ぶことになる。
日本の「手作り食卓至上主義」は確かに健康的ですし、家庭の味といった面でも情操的にいい意味を持っていると思います。それに、多くのお母さんは「子どもたちには手作りの美味しくて安全な食事を」と心から願っています(料理をするのはお母さんの仕事ばかりではないので、お父さんも)。一方で、夫婦ともに仕事をしていて料理にそれほどの手間と時間をかけられない環境にある夫婦が増えているのも事実。そんな、時間的制約と「手作り食卓」との間で、軋轢が生まれていることは間違いありません。
そうした軋轢を埋めるためのサービスを、大学院の課題として取り組むビジネスプランの中で考えています。我が家の課題にも直結するだけに、興味深いテーマです。
Kazuteru Kodera