若者と話す 異なる視点/異なる世界

今日は25歳の若者(といっても僕と5歳しか違わないのだけれど)と食事をしてきました。30歳になったから、というわけではないけれど、自分よりも年下の人たち、特に20代前半〜中盤の人たちと一緒に話をする機会を作ろうと意識しています。社会に出てそれほど時間が経っておらず、いい意味で真っ白な彼らの話を聞くことは、自分自身に大きな刺激になるのです。
例えば今日の二人、携帯電話を初めて手にしたのは中学校3年生だそうです。そして、インターネットに初めてアクセスしたのもほぼ同時期。なぜなら携帯からネットに接続したからです。僕たちの時代、デスクトップパソコンに取り付けられたモデムから「ピーピー!ガガガガ」という音を聞きながらインターネットに接続し、1時間いくらという時間単位の課金の中でびくびくとネット世界を放浪していた時代とは、明らかに違う。ネットというのは自分の手の中にあるもので、何も特別なものではないという意識が彼らにあっても何ら不思議ではありません。
また、キャリアや仕事に対する考え方も少し違っているように感じました。これは、彼ら二人が理系出身で、またデザイン系の同じ会社に所属しているというバイアスがかかっていることもあるのでしょうが、会社を「社会勉強の場」ととらえている点が印象的でした。組織に属するのではなく自分で事業をやりたいと思っているけれど、学生時代の自分ではあまりに未熟で社会では通用しない。だから、「社会的に一人前になる」ためのプロセスといsて会社に就職している、と。
彼らの世代は、長引く不況から安定志向が強まり、公務員になりたい学生がマジョリティを占めるような超保守的層との報道が新聞紙上を賑わせていた世代。終身雇用にあこがれ、「一生この会社でお世話になろうと思っています」などとインタビューに答える学生の姿がたくさんテレビに映し出されていました。どうもそんな姿とは大きく違った若者の意志が、今日の二人には宿っていたように思います。
Silent Majorityという言葉がありますが、本当のところは彼らのような姿がマジョリティなのかもしれませんね。そう願いたいです。
Kazuteru Kodera