親が子供を守ること 育てること

今日は私塾「志塾」に参加してきました。今回のテーマは「世界を知る 留学生の志と彼らの目から見た日本」。インド・シンガポール・シリアから日本に留学生としてやってきている若者、そして卒業後日本で仕事をしている若者によるプレゼンテーションと、その後のグループディスカッションという形で進められました。

最も印象に残ったのは、シリア人のMohammad氏のコメント。

「日本の戦後復興を成し遂げた人たちはすごい。焼け野原になった日本を、ほんの20年で世界第二位の経済にした。一方、自分の同世代の日本の若者は・・・。」
「若者たち自身が悪いとは思っていない。責任があるのは親ではないか。子供たちに小さな頃から食料や水に困らない環境を提供するというのはいいけれど、高校生以上になってもまだ子供を過剰に保護して、あたかもそれが”当たり前”であるかのように教育費用を負担したり金銭的な援助を与え続ける。子供の側も、それを”当たり前”として受け取り、親に感謝する気持ちをもっていない。」
「人生に目標がなかったり、何となく進路を決めて無難な道を選んでいく日本の若者の行動は、そんな親の過剰な保護と援助が子供たちの独立心やチャレンジ精神を壊していることが背景にあるのではないか。」
と。
僕自身、親の子供に対する教育については大きな課題があると考えていました。このブログでも、その「アウトソーシング構造」などについて言及したことがあります。そして、今回彼の指摘で考えさせられたのは少し違った角度からの「親の責任」。

子供に必要な保護を与えるのは親の責任。そして同時に、子供が自身の力で生きて行くための精神面の準備を整えることもまた親の責任。保護だけでなく、「信じて見守る」ことで子供の独立心を育てて行くことが、子供の充実した未来にとっては不可欠ですね。

先日のラーンネット・グローバルスクールの教育方針とも重なることですが、「自律」という概念の大切さを改めて考えた一夜でした。
Kazuteru Kodera