シャープが洗濯機を作っている理由(前編)

最近我が家の電子レンジが不調です。使い始めて6年目なので「まぁ寿命かな」という感じではありますが、扉の閉め方によってスイッチが入ったり入らなかったりします。というわけで、無事にスイッチオンして加熱が始まるまでに何度も扉を開けたり閉めたりしなくてはなりません。そろそろ買い替え時ですね。
この電子レンジ、シャープが作っています。ちなみに我が家、洗濯機もシャープです。ここでふと思ったのです。シャープが洗濯機を作っているのはなぜ?これはあくまでも私の個人的なイメージなので、「シャープといえば洗濯機だろ!」と言われれば否定することはできないのですが、何となく「液晶」「太陽光発電」といった同社のイメージからは離れている気がしてしまいました。
シャープのIR資料を見てみると、確かにありました。「健康・環境機器部門」。ここに洗濯機が属しています。
シャープ株式会社アニュアルレポート
この「健康・環境機器部門」は、シャープ全体の売上高約3兆4.000億円のうちの6.6%、つまり2,240億円を占めています。このいくばくかが、洗濯機の売上というわけですね。とはいえこの部門、洗濯機のほかにも冷蔵庫・電子レンジ(ヘルシオなど)・エアコン・掃除機・加湿器・除湿機など、家庭で使われるいわゆる「白物家電」が全部含まれています。したがって洗濯機がシャープの売上のどのくらいのシェアを占めているのかというのは、残念ながら把握できません。何となくこの顔ぶれから洗濯機のウェイトを試算するに、多く見積もっても全社売上の1%程度、300億円といったところでしょうか。
300億円(推定)というと非常に大きな金額に見えるけれど、年間400万台前後で推移していると言われる洗濯機の国内市場。ざっと1台10万円で計算しても4、000億円の規模があります。シャープの洗濯機が全部国内で売れているとして、また流通段階で値段が1.5倍くらいになっていると仮定してシェア11%。IR資料によるとシャープは売上の半分程度が海外ですから、そのまま洗濯機にもそれをあてはめるとシェアは5%程度まで低下します。
これをどう評価するかは人それぞれだと思います。液晶のシャープが洗濯機でシェア5%なら上出来、と見るのか、市場下位メーカーの地位に甘んじていると見るのか。。。それでは、そもそもどうしてシャープは洗濯機を作り始めようと思ったのでしょうね。そこらへんを明日にでも考えてみようと思います。