初恋

このタイトルの映画、世の中にはけっこうたくさんあるようですが、僕が昨日DVDで観たのは2006年に宮崎あおい主演で作られた「初恋」。

1968年に起きた3億円強奪事件の実行犯が実は高校生の女の子(宮崎あおい)だったというストーリーで、一瞬「え?」と思う内容ですが、実際に観てみると案外本当かも?と思ってしまうところがある。原作を書いた中原みすず(主人公の名前もみすず)の本では、あたかも著者自身が実行犯であったような書き方がされているのだそうです。
時代は60年代末、まさに全共闘時代の東京。学生紛争、機動隊との衝突、ジャズ喫茶、立ち込める煙草の煙・・・。意識的に少し暗めに映し出されたシーンひとつひとつが、巧みに時代の空気のようなものを感じさせてくれました。
僕自身はもちろんその時代を経験したことはないのだけれど、父親の世代となるとまさにド真中。昔実家のアルバムで見つけた学生時代の父の風貌、服装と、そこに写された時代の雰囲気が思い出されて、どこか懐かしい気分がしたから不思議です。