メンタリング・マネジメント

福島正伸氏の著作、3冊目を読みました。昨今のビジネスシーンでよく聞くようになった「メンター」についての本。

メンタリング・マネジメント―共感と信頼の人材育成術

メンタリング・マネジメント―共感と信頼の人材育成術

タイトルになrている「メンタリング」とは、つまり「メンターの存在を通じた」ということ。直訳すれば、「メンターの存在を通じた組織の運営」といったところでしょうか。日ごろマネジメントに携わる人が読めば胸が痛くなったり目からウロコが落ちたり、時には「キレイごとだ!」と切り捨てたくなったり。ポジティヴに捉える人にとってもネガティヴに捉える人にとっても、刺激の多い一冊だと思います。
著者が説く「メンタリング・マネジメント」の本質は、企業を成長させるにはそこで働く人が成長しなくてはならず、人を成長させるには、自発的に成長する「自立型人材」を作っていくことが不可欠ということ。

自発的に行動している人は疲れません。自分の意志で行動していることで無限のエネルギーが湧いてくるからです。

重要なことは、教えたことを相手がやる気になってやるということ。人はやる気になって初めてこちらの話を聞き、教えられたことを行動に移す。

それではいったいどうやって人を「やる気」にさせ、「自発的」に行動させるのか?いくつかの考え方が記されていますが、日ごろ自分の仕事や上司のマネジメントスタイルを観察している視点からもっとも刺激を受けたのはこんな一節。

相手が本気になって行動するには、相手を説得するのではなく、共感させることが必要。

危機感でやる気にさせるのではなく、夢でやる気にさせる。

誰であれ、こんな人生を生きたい、という願望・欲望を持っています。そうした人生を実現するために、舞台の中心に位置づけられた主人公は自分自身なのだという自覚をもって行動するとき、人はやる気になり、自発的になるのだと僕は思っています。自分の人生の主人公になりなさい、というのは、至言ですね。
この本の著者の別の著作には、こんな言葉がありました。

自分の人生が映画になるとしたら、今日一日をどのように過ごしますか?

この言葉の中に何かを感じるとき、人は自発的に生きることを選択し始めているのだと思います。