森の美

八ヶ岳で迎える2日目、朝5時半に目を覚ますと、外は土砂降りの雨でした。低気圧の影響で昼からは天気が崩れるという前日の予報を大きく裏切る天候に、一同テンションが下がる・・・。朝食を摂りながらの相談で、2日目に予定していた阿弥陀岳への登山を断念。そのまま下山することになりました。

早朝の雨はおさまり曇天となった下山ルート。カメラを片手に下っていると、薄暗い森の中に生える草木の深い緑色が目に留まりました。水分を多く含んで、妖しく光るような緑。つい引き込まれてしまいます。写真は、ルート沿いに生えていて思わず立ち止まってしまったシダの一種。見事な形で生えそろい、あたかも剪定されたかのようなツリー形状となっていました。

沢筋に沿ったルートだったこともあり、常に耳には水音がこだましていました。下りルートというのはどちらかというと退屈、そんなイメージがありますが、沢が見せる多様な姿に心を奪われつつ歩いていると、案外あっという間にゴール地点へ。体感温度も上昇してきて、下界に下りてきた雰囲気に包まれるとともに、カメラを握っていた手も緩んできます。

ゴール手前で一服。ドリップ式のコーヒー(今回はBlendy)をいただきます。行程を短縮したこともあり、メンバー各自がかなりの量の行動食を余らせていたため、この場で軽いティーパーティーを。こういった楽しみも、山ならではです。
photo : Nikon D200 with SIGMA AF 24mm F/1.8