生き物と物のちがい

新書コーナーに平積みされていた本を衝動買い。2日ほどで読み終えました。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

分子生物学者である著者が、歴史を遡りつつ生物の神秘が紐解かれていく様を綴っています。
中学・高校の化学の時間に習った化学式、原子、分子・・・。人間を始めとする生物もまた、そうした分子がいくつも連なって構成されている。「世の中の全てのものは原子からできてるんだから、当たり前じゃん。」そう思ってしまうと簡単ですが、では分子の塊に過ぎない物質が、どこを境に「生物」になっていくのか?考え始めたら答えなど見つからなさそうなこの問いに、この本は最先端の科学がどのようなアプローチをしているのか、教えてくれます。
難しい説明も多く、もちろんきちんと理解したとは到底思えません。だけれど、生物の持つ極めて精緻で秩序だったその構造を垣間見るにつけ、自然・生命に対する敬意のようなものを感じたのは確かです。