ニュースペーパーレスライフ

「よく生きていけるね。」という辛辣なコメントをもらうことが多いのが、「ここ3年間、新聞を全く読んでいない」という話をしたときです。「仕事で困らない?」困りません。「話題においていかれない?」そうでもないです。そう、新聞がなくたって、生きてはいけるんです。そもそも、通勤時間の電車内でこれだけ沢山の人が新聞を読んでいる光景を目にするのは、多分日本だけでしょう。その勤勉さと折りたたみの技術は、間違いなく世界ランク上位に入るはずです。
新聞を読まないからといって、時事情報を全く入手せずにスナフキンのような孤高の人生を歩んでいるわけではありません。RSSリーダーを利用してネットのニュースサイトから記事を抽出したり、経済アナリストのブログをチェックしたりしていれば、普通の新聞の読み方で入手できる必要情報のほとんどは手軽に(しかもタダで)入手できてしまうものです。

日経新聞の裏を読め (角川SSC新書)

日経新聞の裏を読め (角川SSC新書)

そんなニュースペーパーレスライフを、少し変えてみようかなと思わされたのがこの本でした。新聞の利用法という点について言えば、かなり斬新な提案がされています。
新聞(特に日経新聞)をアーカイブとして利用し、世の中の潮流を少し深いところから理解することを勧めている本。
簡単に言うと、毎日読む新聞は気になるキーワードのチェックと概要の理解だけにとどめて短時間で読み、すぐ捨てる。チェックしたキーワードの背景や他トピックtのつながりをウェブ上の記事データベースである「日経テレコン21」で検索し、過去の記事をざっと読み込んで深いところでの全体観や潮流を把握する、というもの。
新聞の難点は、ある出来事について以前からの経緯や全体像を把握することが難しいということ。つまり、ある日の記事だけを読んでも、ストーリーが見えてこない。毎日読んでいる人でも、以前の記事の内容を記憶している人は少ないはず。昔の新聞を保管しておいても、流れに沿って全部の記事を拾い上げていくのは大変な作業です。それが上記の方法では手軽にクリアできてしまうのだから、試してみる価値はありそうです。
新聞=ニュース媒体、ではなく、新聞=ニュースの蓄積されたデータベース。面白い考え方ですね。