どこまでも続く・・・ NZの大地は茶・緑・白

小さな都会・Christchurchを後にして、バスでアオラキ・マウントクック国立公園内にあるマウントクック村に向かいます。片道約270kmの旅。
ニュージーランドに高速道路はありません。郊外に出ると「100」とだけ書かれた標識が道路の両側に現れるだけ。そう、これが「100km道路」と呼ばれる、制限速度100kmの道。つまり、街の中以外の道は全て高速道路。信号は、ありません。イギリスの植民地だったこともあり、道路は左側通行、車は右ハンドル。そして、道はとにかく真っ直ぐ。

南島の東海岸に位置するChristchurchからしばらく南下。峠を越えたあたりで分岐点を過ぎ、バスは一路西へと向かいます。車窓越しに目に入ってくるのは、ほとんどが原野と牧場、その向こう側に丘陵地帯や山岳地帯。
こんなところに牧場を作って、オーナーは一体どこに住んで管理しているのだろう?という疑問を何度も頭の中で反芻したのだけれど、「優秀な牧羊犬に管理を任せているに違いない」という程度の答えしか見つかりませんでした。とても、人が住んでいるような雰囲気は感じられなくて・・・。

まだ初春、それも少し遅めの冬がまだ居座っている季節ということもあり、山々は白い雪をその頭に載せています。茶色の大地、緑の牧草地、そこに点在する白い点・羊。山々には白い雪。茶・緑・白が場所場所によってその割合を変えつつ、眼前に様々な風景を描き出していきます。そして、忘れてはならないのが、青い空。

手前に見える黄金色の草が、ニュージーランド原産の「タソック」。まりものように丸まりながら成長し、大きいものでは2mの球体になるそうです。これが本当にそこらじゅうに生えている。とはいえこの草、何の役にも立たないそうで、動物のエサにもならない、人間が食べることもできない、肥料にもならない、と、ないないずくし。以前は片っ端から焼き払われたのだとか。
しかし、NZ独自の自然を保存しようという意識の高まりから、最近は風当たりも弱まっているとのことでした。絶滅したと思われていた、タソックを食べる唯一の動物である飛べない鳥「タカヘ」。彼らが再発見されたことも、タソック保護に一役買っているのかもしれません。
photo : OLYMPUS E-410 with ZUIKO DIGITAL 14-42mm F/3.5-5.6