タクシー奇譚

今日乗ったタクシーでの話。どうやらとても話好きなドライバーさんだったようで、よくある交通事情の話(今日は混んでいる、あるいは空いている」から始まって、目的地到着までの20分あまりの間ずっと話を聞くことに。
この20分の間にわかったドライバーさんの人生航路。
麻布高校(名門!)出身である
早稲田大学出身(名門!)出身である
・実家は築地、歌舞伎座のすぐ向かい側(一等地!)にある
・支払っている固定資産税が年間200万円超(土地持ち!)である
昭和30年ごろに大学生だったというから、年齢70歳前後といったところ。この年齢でタクシードライバーというハードな仕事をされているのも驚きですが、この経歴の方がよほど驚き。その経歴を裏付けるように、都内の地理・歴史・建物の来歴などに詳しいこと詳しいこと。延々と話し続けるその内容は、まさに「首都の歴史」なのでした。
曰く、「このあたりは学生時代によく遊びまわったもんだけど、このビルなんて昔は豆腐屋だった。」「ここには昔国会図書館が建っていて、今は○○に移って△△の建物に入ってる」「この道は今は立派だけれど、昔は車一台通るのがやっと。東京オリンピックの前に拡張工事があって、○○の敷地は□□メートルくらい削られてしまった。」等々。
ドライバーさんの行き場のないような愚痴や浅薄な世評にはうんざりさせられることが多いものですが、今回はすっかり勉強させていただきました。文京区に住んでいらっしゃるという件のドライバーさん、また乗せてもらうことがあったら、またいろいろなお話を聞かせてもらいたいものです。