副都心線開通

東京に住み毎日東京メトロを利用していながら、今日になってようやく知りました、来年6月に開通予定の「副都心線」のこと。
僕の自宅に程近い池袋を起点に、北は東武東上線西武池袋線と直通運転。都心部では新宿・渋谷を抜けて、やがては東急東横線とも直通運転と、まさに東京都心部と南北の街を結ぶ地下鉄ライン。新宿・渋谷・池袋という、東京が抱える三大繁華街を一本で結びつつ、しかも横浜・埼玉方面からのアクセスも叶えてしまう、驚くべき1本と言わざるを得ません。
家電量販店にしろ、百貨店にしろ、これまでは新宿なら新宿(百貨店戦争が特に熾烈)、池袋なら池袋(家電量販店戦争が最近勃発)と、地域ごとに覇権争いが起きていた東京都内。副都心線の開通後は、埼玉・神奈川からのやってくる購買力をいかにして掌中に収めるか、その戦火が三大繁華街に飛び火し、一挙に戦線は拡大することになるでしょう。これまで横浜方面からの顧客を独占してきた渋谷が新宿と争う、埼玉方面を牛耳ってきた池袋が渋谷と競う。そんな構図が、来年には実現するのです。
こうして考えてみると、交通というのはまさに都市の血管なのだということに気づきます。別々に機能していた器官を結びつけ、人間という血流の移動を活発化させ、都市(=身体)全体の躍動感を増してくれる。
その一方で心配なのは、これまで独自の商圏を持ちつつ発展を遂げてきた横浜などの街。東京都心への血管が太くなったことで、その影響力をより顕著に都心に吸い取られてしまうのでは?そして、独自の色彩を持った街の繁栄に翳りが生じてしまうのではないか?
そんな心配が杞憂であることを祈りたいものです。横浜には横浜を愛する人が集まって、商売をする側も街づくりをする側も、東京に負けないくらいに魅力的で独創的な存在へと街を育てていく。そんな都市の光景こそ、未来の日本を豊かにするものだと信じたい。そう思います。