一年前の今頃

デジタルで写真を撮って残すことの大きなメリットの一つ、それはいつでも簡単に昔の写真を呼び出して眺めることができるということ。PCの能力低下なのか最近とみに動作の遅くなったPhotoshop Lightroomではあるけれど、年・月・日ごとにきれいに整理されたアルバムとして振り返ることができます。
一年前の今頃、何をしていたのかな、とふと思って開いてみると・・・

ロードバイクを手に入れて間もなくの頃。週末ともなれば一人早起きして東京の街を駆けていました。買ったばかりのメッセンジャーバッグにカメラ一つを詰め込んで(これがけっこう重いのです)。写真は、港区の増上寺。都会の真ん中に佇む巨大な門は、道行く人を思わず見上げさせる。そんな光景。
大きく「勧進」と書かれた板が出されていますが、これはどうも寄付を募るもののようで・・・。

「勧進」
勧進とは、寺院の建立や修繕などのために、信者や有志者を説きすすめてその費用を奉納させることをいう。そのことにより人びとを仏道に導き入れ、作善をなさしめるのが元来の意であったが、のちには寄付を集める方法として興行を催し、観覧料の収入をもってこれに当てるという意味としても広く用いられた。中世においては、橋や道路の修理・整備から官寺(鐘や仏像、写経をふくむ)の建設や修造など、本来は朝廷(国家)や国衙(地方行政機関)がおこなうべき公共事業も、勧進によってなされた。勧進をおこなう者は、勧進帳(後述)をたずさえて諸国を遍歴したり、橋のたもとや寺社の門前、関所などで「一紙半銭」の寄付を募った。(Wikipedia

歌舞伎などで有名な「勧進帳」とは、勧進(寄付募集)の目的について書かれた巻物のことを指すそうです。武蔵坊弁慶が富樫左衛門の前で勧進帳を読み上げたシーンに由来し、歌舞伎の演目になったとのこと。
日本で寺や神社というと、すっかり世俗化した「なまぐさ坊主」を思い浮かべてげんなりしてしまう昨今ですが、こうした古い言葉や習俗を残しているという意味では、貴重な文化的遺物と言えなくもないのかもしれません。