美味しい出汁は背筋が伸びる

三連休の中日にも関わらず、午前中から打ち合わせやら買い物やらで動き回り、家に帰ったのが午後t7時。疲労感からくどいものを食べる気がせず、以前から気になっていた近所の鮮魚と煮込みのお店「まる屋」に初めて赴きました。
自転車を駆って約2分、距離にすれば1km弱といったところでしょうか。霧雨が降り始めた中を「やんでくれ〜」と祈りながらの走行。体や服が濡れるというほどの雨ではないにしても、わずかの時間でジワっと体が冷えてしまいます。
お店のドアを開けてすぐ目に飛び込んできたのが濛々たる湯気。一瞬は焼き物の煙かとも思ったのですが、よく見ればそれはおでんが放つ湯気なのでした。そう、常時カウンターの前でおでんが煮込まれていて、出汁のぷんとした香りが店内に広がっていたのです。
早速ビールとともにおでんの盛り合わせを注文。京風とのことで、うっすらと色のついた上品な出汁にひたされたまる屋のおでん。タネはもちろんですが、器を持ち上げて直接お椀から飲む出汁の味がたまらなく美味しい。ふと気づくと、背筋をピンと伸ばしていただいていました。
知らず知らずのうちに体も温まり、すっかり疲労から回復。食べ物の持つ力ってすこいものだな、と改めて心に刻みつつ、連休の夜はホカホカと暮れていったのでした。