未来を作る仕事

よくあることですが、最近すっかり更新ペースが落ちてしまっています。理由は比較的シンプルで、休みの日に遊びに行っていないから。10月の大イベントに備え、休日のほとんどをその準備に充てています。もちろん一日中というわけではないから、どこかへ出かけようと思えばいいのだけれど、少しでも「やらなくちゃ」というタスクがあると、心おきなく外出ってできないものですね。
というわけで、今回も「読んだこと考えたこと」

プロフェッショナル 仕事の流儀〈13〉

プロフェッショナル 仕事の流儀〈13〉

「プロフェッショナル 仕事の流儀」というNHKの番組があります。毎回、様々な(本当に多岐)世界で活躍する一流のプロにフォーカスし、彼らの仕事、そしてその仕事に対する姿勢や考え方などをドキュメンタリー形式で紹介していくもの。構成や映像作りの巧みさはもちろん、一人一人のプロたちの生き様が鮮烈で印象深く、ほぼ毎回録画して見ています。
この本は、その番組の内容(3回分)を1冊にまとめ、テレビでは放映できなかったインタビュー部分などについても詳細に記載してくれている、まさに「保存版」。本当に印象に残った方の回については、こうして本で読んだほうがいいこともあり、何冊か購入しています。
その中の一冊が第13巻。三番目に登場するMIT(マサチューセッツ工科大学)教授 石井裕氏は、僕がこの番組でこれまで見た中で最も刺激を受けた人物でした。
「いつも急いでいるのはなぜか?」という茂木健一郎氏(司会)の質問に対して、

実現させたい夢はいっぱいあるんですよ。でも、自分の力が及ばないんです。それに、眠らなければいけないし、食事もしなければいけない。その時間を差し引くと、本当に仕事ができる時間はあまり残されていないんです。それではどうするかと考えたら、走るしかない。

なぜそこまで仕事に没頭できるのだろう?その答えは、こんな言葉の中にあるのかもしれません。

命はいつかなくなっていくわけですから、それまでに何かを形にしなければいけない。そしてそれは、自分がいなくなった後にも生き延びるものでなければならない。そういった一種の強迫観念ですね。それくらいのプレッシャーを背負わないと人はなかなか頑張れません。

石井氏は学生に対して、「君がこの世に今存在していたことで、2100年はどう変わるのか」と問うという。未来を作る。形あるものを未来に残す。そんな思いに動かされ、プレッシャーを感じながら仕事に立ち向かっている人たちがいる。そんな姿が、とても鮮烈に心に残ります。