宇宙船を作っています

昨日のエントリーはタイムマシンについてだったけれど、今日は宇宙船。
NASAとVirgin Galactic、超音速宇宙船を開発へ - CNET Japan
人類を初めて月に送ったアメリカ航空宇宙局が、民間の宇宙旅行会社Virgin Galactic社と宇宙船開発で提携した、というニュースです。
NASAと言えば、世界最高の叡智を集めた機関で、天才的なロケットサイエンティストたちが日夜宇宙開発に取り組んでいるというのが僕のイメージ。一方、「宇宙旅行会社」というと、つい漫画的な世界を思い起こしてしまう。そんな相反する二者が提携するというのは、僕のイメージの中では、少し理解に苦しむ内容だったわけです。
ところが、記事を読めば分かるとおり実際は大真面目な官民提携の話。加えて、NASAはこれまでにも複数の民間企業(ネット検索大手のGoogle含む)と提携してきているという。国家の宇宙開発の最先端を担う機関が、民間企業とフレキシブルに提携しながら開発を進めていく姿は、僕達日本人には新鮮に映ります。
官が民に対して優位に立つ、あるいは立っていると認識されることの多い日本では、こういった形で官の機関が民間企業と柔軟な連携をするというのは難しい気がします。官の側の「国家」を盾にとった秘密主義(「国家の宇宙開発内容が外に漏れる」等)や、官のエリート意識(「民間のレベルとは違う」等)に邪魔されてしまう姿が容易に想像できてしまう。
官は民を「銭稼ぎに奔走する志の低い存在」、民は官を「堅苦しくて効率が悪く、スピードの遅い連中」と蔑み合いながらではなく、互いに共通の未来ビジョンを持って事業に取り組む。そんな姿が実現することを願いたいものです。そうすれば、「うちの会社、宇宙旅行を企画してます。宇宙船?あ、それは国と連携して作ってます。」なんて話がそこらじゅうで聞ける日もやってくることでしょうね。