新宿御苑 秋から冬へ

自転車で新宿御苑へ出かけてきました。家から約6km、特に遠いというわけではないけれど、外は何せ寒い。グローブから出た指先に12月の風が容赦なく吹き付けて、かじかんでしまいます。ブレーキに触るのが嫌になってしまうくらいの痛みに少し辟易・・・。たった6km、されど6kmの道のりでした。
目的はもちろん紅葉。無事にゲットした三脚を使用して、今年こそはきちんと紅葉を撮るぞ!というわけです。誕生日プレゼント(自分向け)に買った超広角ズームレンズに小躍りしながら撮りまくり、「紅葉ハンター」を自称した昨年。今年は一転して、70mm-300mmの望遠レンズで撮影することにします。
望遠レンズには「圧縮効果」と言われる、被写体の遠近をぐっと圧縮して見せる(=奥行きが狭く感じられる)効果があるので、紅葉のボリューム感を出した写真を撮るにはもってこい。他のレンズに浮気はせずに、カメラと望遠レンズ一本だけをカバンに入れて、冬の街を自転車で駆け抜けました。

目的は紅葉、と言いながら、メインの被写体は木。どっしりと大地に根を下ろした銀杏の巨木が浴びる太陽の光の濃淡が、とても印象的なシーンでした。御苑の中でも立派な木のようで、周囲にはたくさんの人がカメラを構えたり散歩したりと賑やかです。お陰で、ファインダーの中から人影が消えるまで何分か待たなければなりませんでした。なかなか思うようにはいかないものです。
心の中で、「早くどいてくださいね〜。どいてね〜。ちっ、早くどかんか〜!!」という声がこだましていました。表情に出ていなかったことを祈ります。


秋から冬への移り変わりを感じさせる2枚。光を浴びて鮮やかに輝きながらも、冬の足音が少し聞こえてきそうな雰囲気を感じました。(実際はもうすっかり冬で、太陽の暖かな光がなければとてもブラブラできるような陽気ではありません。ホント寒かった。のんびり芝生に寝転がって読書、なんて思って持って行った本も、ただのトレーニング用の重しにしかならず・・・)


大木戸門の出口へと向かう途中、絶好の光線に照らされた真っ赤な紅葉を発見!さっそく三脚レディ!撮影準備OK!とファインダーを覗いていると・・・折悪しく中高年向け写真教室と思しき一団が背後から接近。僕のカメラを後ろから覗き込み、「ほぉ、デジタルですか〜」「ふぅん、う〜ん」なんて呟きを投げかけてきます。「早く撮ってポジションを空けろ」という無言の圧力なのか、ただ好奇心で見ているだけなのか、いずれにしても気が散って仕方ない。
彼らのせいにしてしまうのは卑怯かも知れませんが、この場所で撮った写真はほとんどが被写体振れを起こしていました。シャッタースピードの設定が遅く、シャッターが開いている間に風にそよぐ葉が動いてしまったのです。そんなことにも気づかず、モニターで確認して「あっ!」と思ったときには、最高の光線はそっぽを向いてしまっていました。そんな自らの技量と心の未熟さに合掌。
当の一団はというと、「先生」と呼ばれた赤いテンガロンハットの奇妙なおじさんの「そろそろ終わりですね、このあたりも。もう光が弱くなってますから」とか何とかいう言葉に導かれ、そそくさと去っていきました、とさ。
Photo : Nikon D200 with TAMRON AF 70-300mm F/4-5.6Di