救世主の不在とニッポンの閉塞

会社員にとって、意外と見過ごされそうだけれどお財布をとっても温めてくれている、そんな存在が「残業代」。本来の給料とは別に、「おまけ」みたいな形で支給されることもあって、給与明細を見て「おぉ!」となることも少なくないのではないでしょうか。
そんなサラリーマンの「ホッカイロ」的存在である残業代が、なくなってしまうかも?という記事を見つけました。大きな話題になってもおかしくないのに、一向にマスコミに取り上げられないのが不思議なトピック。
『残業代11.6兆円が消失する?!』(記事へのリンク)
時間ではなく成果に応じて報酬を、という時代の流れに沿うものとして、産業界からは強い要望のあがっている「ホワイトカラーエグゼンプション」導入の是非。もともと年俸制で残業という概念が薄い僕のような人間にはあまり関わりのない話題ではあるものの、前の会社で経験した「おぉ!」の気持ちは今も鮮明に残っています。
家計の救世主=「おぉ!」の喜びを失う痛み。それは日本を、より強い閉塞感に満ちた世界へと変えてしまう危険を一方で孕んでいる気がします。例えそれが「国際競争力を高めるための機動的な人事・給与体系」なのだとしても。