酔いどれ自転車紀行 東京下町編③

浅草の路地を歩いて楽しむうち、どうしても果たさなくてはならない使命、どうしても勝てそうにない誘惑が・・・。そう、「もんじゃ焼き」です。浅草は月島と並んでもんじゃ焼き屋さんの集積地。通りのそこここに「もんじゃ」の看板がかかっています。「もんじゃ焼きは、ご飯じゃなくておやつだ」という言葉を念仏のように唱えつつ、「ひょうたん」さんへ。

(お店の看板もなかなか風情あり)
何を隠そう、もんじゃ焼きは人生2度目の経験。自分で焼くのは心もとないし、作り方を間違えたら恥ずかしい、という小心から、店の主と思しきおばちゃんに「あの・・・焼いてもらえますか?」とお願い。「鉄板あったまったらね!」とぶっきらぼうに言い放ちつつ席を去っていくおばちゃん。ドキドキ・・・。
やがて戻ってくると、「まずは野菜から。汁は後でね」と言いつつ豪快にキャベツ・桜海老などの具材を鉄板に。「むむ、ここで例の『土手』を作るんだな〜」と期待して待っているとこのおばちゃん、何と無造作に汁を具材の上からかけるじゃありませんか!!「え!!どうして?ひょっとして、このおばちゃん・・・シロウト??」(心の叫び)
目を白黒させた僕たちの姿に気づいたのでしょうか。おばちゃんが一言。「(肝心なのは)鉄板の温度なの。ちゃんと温まってから乗せれば、土手なんて要らないの。ほら、(土手なんてなくても)ちゃんと真ん中にとどまってるでしょう?」※()内は著者訳注 
一同「おお〜」と心からの感嘆符。アツアツのもんじゃに瓶ビール、という大人の楽しみを味わって、再び浅草の通りへ。そろそろ日が傾いてきました。

左:こちらは手拭い屋さん。色鮮やかな手拭いが所狭しと並んでいます。使うのが勿体なくなってしまいそう。
右:商店の屋根の上に見え隠れするほっかむりの泥棒さん。どうやらねずみ小僧見参!ということのよう。江戸の下町には、洒落心もあるんです。左側に見えるライト、夜間はライトアップされるみたいですね。うーん、見てみたい!夜空に照らし出される盗人の姿、「出合え!出合え!曲者じゃぁ!!」なんて。
おなかも満足、江戸情緒も楽しんだ、ということで、暗くなる前に家路に就くことに。二つほど山を越えるちょっぴりハードな帰り道ですが、体も心も軽い軽い。寒くなる前に、もっと走っておきたいですね。一方、紅葉前線も迫っている今日この頃。カメラの方も疼いています。来週末は、紅葉を狙いに行こうかな。

photo : Nikon D200 with AF Nikkor 85mm F/1.8D