随想

結晶化する。プレゼンテーションを支える思考

AppleのCEO、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは世界的に高い評価を得ています。シンプルでありながら強いインパクトを持ち、聴衆を巻き込んでいく魅力に溢れている、と。そんなシンプルかつ強力なプレゼンテーションを作る際の考え方/技法を整理…

就業時間の設定は無意味かつ有害である の議論について

先日ここで紹介したダニエル・ピンク著「モチベーション3.0」の中では、人間のモチベーションを高めて創造的な仕事をするための要素の一つとして「自律(Autonomy)」があるとされています。仕事をする時間や場所、何を課題とするか、そしてそれを解決する方…

 上司の指示は絶対か 自由市場は本当に自由か

マイケル・サンデル著「これからの正義の話をしよう(原題「Justice What’s the right thing to do」を読んでいると、いろいろなことを考えてしまいます。自由、正義、道徳、公正・・・。先日ご紹介した清水勝彦著「その前提が間違いです」はビジネスにおけ…

天守閣理論 遠くを見よ 足下も見よ

清水勝彦著「その前提が間違いです」の中で紹介されていたローソン・新浪社長の「天守閣理論」がとても印象に残りました。組織のトップは城の天守閣にいるから、遠くまで見渡せる。地平線からゆっくりと、しかし着実に敵が我が方の城に迫ってきているのが見…

 天職 あなたが就くべき仕事とは

どんな仕事が自分にとっての天職か、これは誰にとっても(ごく一部の天職に出会った幸運な人々を除けば)迷いとともに考えるテーマだと思います。僕自身もまた、自分の天職がどういうものなのか、現時点でははっきり見えているわけではありません。とはいえ…

 ITによる教育の変革と喪失

アメリカを中心とした先進国で、IT企業が続々と教育分野へのビジネス展開を進めているようです。クラウドを活用したサービスを州政府に提供して教育分野での活用を促したり、学校向けの安価なPCをリリースしたりという動き。最近では、iPadに着目する教育関…

 スクラップブッキングとエディターシップ

ヨメが産休中に講座に通って学んできた「スクラップブッキング」という技法の素晴らしさについて。 スクラップブッキングというと、新聞の切り抜きとかをイメージしてしまいますが、この場合は写真です。プリントした写真を、自由な形に切り抜いて、さまざま…

 となりのトトロ

1歳3カ月のムスメ、少し早い気もしたけれど、「となりのトトロ」を見せてみました。となりのトトロ [DVD]出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント発売日: 2001/09/28メディア: DVD購入: 25人 クリック: 638回この商品を含むブログ (3…

にっぽんの営業、欧米のマーケティング

ある大企業で海外法人の副社長を務めた方とお話する機会がありました。そこで話題に上ったのが、日本企業のマーケティングと欧米企業のマーケティングはどう違うのか?という点。僕自身「何となく違うけど、どう違うのかうまく説明できない」と感じていたテ…

すぐやる 必ずやる 出来るまでやる

今日は関西出張の二日目。京都で日本電産の本社にお邪魔してきました。まず驚かされたのが、1階に設置されたプレハブ小屋。日本電産の創業当時(1973年)の初めての自社施設とのこと。 京都を見下ろす高層建築の本社ビルの1階に、なんとこの小屋。創業…

 理念の経営

今日・明日と関西地方に出張で訪れています。今日は、仕事の合間に門真にある「松下幸之助歴史館」を見学。Panasonicの創業者であり、日本を代表する起業家・経営者である松下幸之助の足跡をたどる展示が素晴らしかったです。おそらく、僕がこれまでに訪れた…

好きなこと嫌いなこと やりたいことやりたくないこと

東大生のアラキ君と話をしていて、彼がこんなことを言っていました。「周りの学生は、やりたいこと症候群」と。自分が本当にやりたいことは何なのか、探しているけれど見つからない。やりたいことって何なのだろう?と考え続けるけれど、見つからなくて悩ん…

 外国で仕事をして成功する人の2つの条件

今日インタビューに伺った会社で面白い話を聞きました。世界各地に支社を展開してビジネスを行っている同社。優秀な人を選抜して海外に送り出してきましたが、過去の経験から海外で成功する人には二つの条件があるそうです。 ・順応性が高いこと 言い換える…

 日本人は英語を話す必要があるか

今日お話をうかがった日本発のグローバルカンパニーの方から興味深い論点を提示いただきました。「日本人が英語で仕事をすることの意味ってなあに?」ということ。 一般に日本人は英語ができません。つまり英語でコミュニケーションがとれない。これはもう、…

人に伝えるということ ビジネスでもプライベートでも

ビジネスでもプライベートでも、人に何かを「伝える」ということは大切です。それもただ「伝える」だけではなく、「わかりやすく」伝える。そして、伝える内容は可能な限り自分の考えている内容の100%にする。 簡単そうに見えてこれ、なかなかうまくいき…

 食べること 食べるもの

人間が食べ物を食べるということは、その食べ物に含まれているタンパク質を分解して自分の体に取り込んでその一部にすること。日本の土で育った食べ物を食べれば日本の、外国の土で育った食べ物を食べれば外国の、一部を体に取り込むことになる。 タンパク質…

 記憶の銀行 自分史を積み重ねて歴史を紡ぐ

イタリアで始まった活動「MEMORO the bank of memories(記憶の銀行)」の存在を最近知りました。先日ご紹介した映画専門の学校に通う友人に教えられて。 1940年代以前に生まれた方々の思い出話や体験談を、ビデオという形でWebに蓄積し、その記憶をわれ…

にっぽんの食卓 きちんとしなくちゃの文化

日本の食卓においては、冷凍食品や出来合いの総菜といったものはどうも「手抜き」との誹りを免れない、ネガティブな存在のようです。どんなに忙しくても、自宅できちんと調理されたものでないといけないという「きちんとしなくちゃ文化」があるのです。冷凍…

 アートを支える

今日は大学時代のゼミの同級生に会ってきました。出版社・映画会社で編集の仕事を経験してきた彼女。現在は映画専門大学院大学というところで、映画プロデュースの勉強をしています。 映画専門大学院大学 http://www.toho-univ.ac.jp/ 興味深いのは、この大…

小説を読む 魔法の絨毯と表現の形

とても久しぶりに小説を読み始めました。もちろんフォトリーディングは使わず、一字一字をゆっくりと読み進めて行く読書。昨日書いた通り、「物語」というものの持つ力について考える日々の中で、愛してやまない物語、特にそれを文章で綴った小説というもの…

物語を力に変えて

大学院での学びや普段の仕事、これはとてもロジカル(論理的)で左脳的なものです。コツコツと論理を積み上げて行き、そこに誤謬がないことを文章や図表を使って他者に説明をする。まだ未熟なので、そこに「一片の隙もなく」と言うことはできないけれど、左…

書籍の姿が変わりつつある 電子への移行

amazonのkindleに続いてAppleがiPadを投入。後者は必ずしも電子書籍に特化した端末ではないにせよ、「紙媒体で提供されていた情報を入手するための新しいツール」としての意味付けを強く帯びていることは間違いなく、いずれも書籍というものの存在のしかたを…

 ブログとレガシー 残すということ

Twitterは「フロー」、どんどんと流れて行く。それに対してブログは「ストック」、蓄積され残されていく。Twitterが多方面で着目されるに及んで、こんなことが言われるようになりました。フローとストック、Twiiterとブログ両者の特徴を言い得て妙の表現だと…

タスク管理の秘法はいずこに 電子と紙、分散と集中

日々のタスク管理、そして中長期の計画。そうした「取り組むこと」を書き留めて管理することは、価値ある日々を生きて行く上で必須です。そのために僕自身、これまでいろいろな方法を検討しては試し、検討しては試しというのを繰り返してきました。このブロ…

英語情報へのアクセス フィルター構築の必要性

日常的に触れる情報のうち、何パーセントが日本語以外の言語ですか?僕も含めてほとんどの日本人は、99%以上が日本語なのではないかと思います。(もちろん、看板に書いてある「ローマ字」とか和製英語は抜きです) 日本は世界でも有数のインターネット普…

醇化という言葉 自分と日本と

最近知った言葉でとても気に入ったのが「醇化(じゅんか)」。辞書的な定義としては、 不純な部分を捨てて、純粋にすること。純化。 となるのですが、発酵の「酵」の字が使われていることからも、それが単に「純粋なものにする」という意味を超えて、ゆっく…

 休日を挟んだ開放感と憂鬱

明日からゴールデン・ウィークが始まります。7連休という人も多いのではないでしょうか。 「休みの前の開放感、これがたまらない。そして休み最後の日の何とも言えない憂鬱、これがまたたまらない」同じ「たまらない」でも、ずいぶん違う意味をもつ感覚を、…

 たった一人でも、日本のために声を上げよう 

このすばらしい日本(があり)、すばらしい子どもたち、お年寄りがいる。政治家が悪いと愚痴を言うだけではダメ。たった1人でも声をあげて立ち上がらないとよくならない。ここに来た人、(シンポジウムを中継した)UStreamで見ている人、Twitterでつぶやいて…

学ぶは真似ぶ。学習のプロセスと模倣について

「学ぶ」という言葉の語源は「真似ぶ」つまり真似をすることです。芸術や武術などに限らず、あらゆる学習はまず人の真似をするところから始まります。お手本となる相手のやり方を観察し、実際に自分でやってみて、お手本に近づけるように努力する。やがてそ…

親が子供を守ること 育てること

今日は私塾「志塾」に参加してきました。今回のテーマは「世界を知る 留学生の志と彼らの目から見た日本」。インド・シンガポール・シリアから日本に留学生としてやってきている若者、そして卒業後日本で仕事をしている若者によるプレゼンテーションと、その…