タイの会社イベントに学ぶ組織活性化のヒント
出城を守っていたら本丸が焼け落ちて・・・
今回の日本での滞在は、主に「本丸」であるところの日本本社の将来に向けた活動という位置づけでした。新しいマーケティング施策の準備、組織強化提案、人材の採用 などに関する活動を集中的に行いました。
タイ事業もまだ軌道に乗ってもいないというのに、その前線を離れて本丸を強化するというのは一見奇異に見えるかもしれません。前線に置かれた出城を放ったらかして、本丸の塀やら石垣やらを強化しようとしているのですから。しかし、海外という「競争の最前線」で戦況と敵情を知れば知るほど、日本という本丸の事業の脆弱性を一日も早く何とかしなくてはならないという強烈な危機感に襲われるのです。それが、今回のような出張という形で、また来年からは日本滞在の比率を大幅にUPさせるという形で行動しつつある理由です。
出城が出城として機能して有効に戦を進めていくには、本丸と複数の出城との連携・ネットワークが欠かせません。出城で得られた情報は逐一本丸に伝えられ、対局的な視点でネットワーク全体を生かした作戦が作られ、徹底して実行される。逆もまたしかりで、本丸で得られた大局的な情報や判断はシームレスに出城に伝えられ、現場レベルでの意思決定に反映されなくてはならない。ネットワークのハブに位置するのは本丸で、そこには優れた人材とノウハウと、大きな絵に基づく意思決定機関とが存在しなくてはなりません。
最前線である出城にももちろん有能な指揮官は必要ですが、そこに戦力と資源が集中されていると、どうしても局地戦での視野に引っ張られて偏った意思決定と行動がとられてしまいます。事件は確かに現場で起きているのですが、複数の現場の状況を把握して最適な資源の配分と意思決定をするには、やはり会議室に置かれた参謀本部が必要。出城が本丸に指示したり動かしたりというのは望ましくない。これが僕の考えです。
今僕の目に映っているのは、そんな重要な本丸がハードとソフト両面での研鑽を怠った結果、石垣は崩れかけ、堀は埋まり、武将の士気は失われつつあるという情景です。このままでは、「出城を守っていたら、いつの間にか本丸が焼け落ちていた」という状況になりかねない、そんな危機感が強く僕を支配しています。
クリスマスの頃には、また日本にやってきます。プライベートの重要イベントも控えており、次回の滞在は長期にわたる予定です。本丸の改修工事も、より具体的なフェーズへと進展させていくつもりです。
またデバイスを増やしてしまった
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「家族の存在を頭から消す」 ビジネストラベラーの悲しみ
今朝、朝食をとりながら読んでいたFinancial Timesの「Business Life」欄。このコーナーは仕事と生き方といったテーマを取り上げた中くらいの長さのコラム風記事が多くて、読みやすく気に入っているのですが、とても目を引く記事がありました。
数週間に及ぶような長期出張を毎月のようにこなすビジネスパーソンにとっての仕事と家庭を取り上げたもので、その中には二人の子どもを持つ母親が登場します。彼女は、「出張で子どもたちと離れるのは本当に辛い。その辛さを忘れる一番効果的な方法は、出張中は家族の存在を忘れることです」とコメントしているんです。多くの人はこれを読んで「忘れる?ありえない」と思うかもしれません。でも、僕がこの記事でもっとも共感したのはこの部分なんです。ああ、自分もそうだな、と。
出張先(彼女は1か月のうち3週間は出張先にいるとのことなので、もはやどちらが出張先なのかわかりませんが、家のある土地以外の場所という意味で) にいるときは、とにかくプロとして仕事に集中し、自分に夫や子どもがいることなど忘れて没頭する。これが、家族と離れて旅から旅を繰り返すビジネスパーソンにとっての寂しさへの最良の薬だというのです。僕自身も、家族とFacetimeで話をする時間以外は、あまり家族のことを思わないように無意識に心がけている部分があったと思います。寂しいことですが、寂しさに負けないための手段として受け入れてしまう話でもあります。
そこから先、コラムは一歩進んで、「グローバル経済が進行する中で、出張は避けられない。では、どうしたらいいのか?」と展開していきます。いくつか興味深い考え方も紹介されており、自分も実践しよう、と思っています。
なるほど、と思わされたのは、特に子どもの心がどう影響を受けるのか?について。もちろん、片方の親が不在になることは子どもに寂しさと怒りをもたらすのだけれど、もっともひどく子どもの心を傷つけるのは、不在であることによって両親の仲が悪くなることなのだそうです。夫や妻と不仲になったビジネスパーソンは、家庭から遠ざかる口実のために意図的に出張を増やすのだとか。
仕事の充実と家庭の充実、永遠のテーマではありますが、粘り強く両立させるための工夫をしていきたいです。
我慢強い人に支えられた組織は成長しない
タイで組織運営をしていく中で驚くこと、学ぶことはいくつもあるのですが、その一つに「我慢強い人に支えられた組織を作ってはいけない」という気づきがありました。組織としての不具合を社員が我慢することで運営されている組織は、中長期的に成長していくことは難しいのではないか、ということです。
なぜこんなことを気づいたのかというと、タイ人スタッフのおかげです。タイ人と日本人では「仕事」というものに対する価値づけ・優先順位がずいぶんと違っていて、彼らの人生における仕事の重要度というのは4位とか5位とか、そんなランキングになっているような気がします(もちろん個人差はありますが…)。そのため、仕事におけるストレス耐性はそれほど高くない。無理をして頑張ったり、嫌なこと辛いことを我慢してまで職場における評価を維持したいとか、上司に評価されたいとか、そういう感覚は薄いのです。もちろんそれは、怠けているとかサボっているという意味ではありません。各自の持っている「ここまで」というラインがあって、それを超えたところまで「頑張った」りはしないということです。
ばっさり捨てる。やめる。それは可能性の排除なのか?
ビジネスや芸術、スポーツなど各界で偉大な成果を挙げた人の書籍などを読むと、「○○はしないことに決めている」、あるいは「○○をすると決めている」という趣旨の言葉に出会うことが多い。
方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、まずは重要でもなんでもない1,000のことにノーと言う必要がある。
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